スピッツの記憶

今日は家族が出かけてから布団を干し、毛布を洗濯機に入れてから、天気が良いので家庭菜園の草取り(畑掘り)をする。作業する時にはヘッドホンで音楽を聴く。Spotifyスピッツを開くと、3月25日にリリースされたらしいベストアルバム「春に聴きたいスピッツ」がアーティストからのおすすめにピックアップされている。

2014年秋のこと。私は電車とバスを乗り継いで陸前高田の未来商店街に向かっていた。肌寒さを感じる10月の気候。上着を羽織っていたがバスの中は暖かく、少し汗ばむくらいだった。緊張で胸がドキドキしていた。数日前、週末の陸前高田スピッツが来る事を知った。思い切って出かける事を決めた。会場近くでバスを降りて暫くの間歩いた。震災の爪痕が残る更地。大きな重機。会場は手作りの温かみのある空間。ステージ前方に柵があり、柵の向こうにスピッツのメンバーの姿が見えた。表情がわからないくらいの距離感だったけど、お客さんみんなが寄り集まってそれぞれに揺れたり歌ったり手を上げたりしていた。建物の2階から応援している人もいた。みんなで「空も飛べるはず」を歌った。ライブって大音量に圧倒されたり、気合を入れて臨むだけに体力を使うけど、あの日のスピッツのライブはみんなの心に寄り添う、普段着で楽しめるライブだったように思う。もう10年経つんだな。最高だったなあ。また岩手に来てほしいな。そんな事を考えた。

どうか正夢 君と会えたら(スピッツ/正夢 より)